キヤノン「RF 800mm F11 IS STM」は手頃な価格だが非常に優れた解像力

ePHOTOzineに、キヤノンの軽量コンパクトで安価な超望遠単焦点レンズ「RF800mm F11 IS STM」のレビューが掲載されています。

Canon RF 800mm F/11 IS STM Lens Review

  • このレンズは1260gと驚くほど軽量で、格納時の全長は281.8mmと驚くほどコンパクトになる(使用時は351.8mm)。絞りはF11固定で調整できない。残念ながら防塵防滴のシーリングは施されていない。
  • フォーカスリングは電子式で極めて滑らかだ。回転は非常に軽いので、もう少し重さがあってもいいかもしれない。
  • AFはSTMモーターで駆動され、中程度の速度で作動音はほとんどしない。
  • 最短撮影距離は6m、最大撮影倍率0.14倍と控えめであまり寄れない。

  • レンズには三脚座が組み込まれているが、回転させる機能がないので、縦位置にするにはボディを動かす必要がある。
  • このレンズは手持ち撮影が可能で、軽さと4段分の効果のISは手持ち撮影で非常に役立つ。
  • 解像力は中央も隅もとても良好な値(very good)で、画面全域で非常に均一だ。

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  • 色収差は自動補正をオフにして測定した。このレンズは色収差を抑えるために回折光学素子(DO)を使用しているため、色収差は特に重要な要素だが、測定結果ではDOは非常に効果的で、中央も隅も色収差は1/3ピクセルだ。実写では色収差は見られない。
  • フレアは、回折光学素子の悪影響が見られる可能性がある領域だが、キヤノンは回折光学素子を向き合わせにすることで問題を回避しているようで、通常の使用ではフレアの兆候は見られず、画面の端に非常に強い光を入れてもフレアの兆候は見られない。
  • 歪曲は+0.72%の小さい糸巻き型で、問題になる可能性はほどんどない。
  • ボケは美しく、焦点距離が長いので絹のように滑らかな素晴らしいボケを得ることは難しくない。
  • 周辺光量落ちはわずか-0.3EVと非常に穏やかで、隅の落ち込みはほとんど見られない。

  • 価格は1099ドルと非常にリーズナブルで、コストパフォーマンスは素晴らしい。
  • RF800mm F11 STMは、最長の焦点距離の手持ち可能なレンズを非常に低コストで提供している。軽量なので長時間の手持ち撮影も可能だ。欠点はも絞り値がF11に限られていることで、これは非常に安い価格と驚くほど美しいボケの実現に貢献しているが、被写体の動きを止めるためのシャッター速度を得るにはかなりの明るさが必要だ。唯一の露出の制御はISO感度を上げることだけなので、高感度でもノイズの少ないカメラが必要だ。
  • このレンズは非常に手頃な価格で品質はとても優れており、ロンクレンジの望遠写真を撮影できる。大いに推薦する。
  • 良い点:非常に優れた解像力、驚くほど軽量、効果的な手ブレ補正、手持ち撮影が実用的、DOレンズにより色収差が抑えられている、周辺光量落ちが少ない、歪曲が小さい、フレアが少ない、まずまず速くほぼ無音のAF、フルタイムマニュアルフォーカス、カスタマイズ可能なコントロールリング。
  • 悪い点:防塵防滴ではない、F11にしぼりが制限される、最短撮影距離が6m。

 

RF800mm F11は小型軽量で低価格なレンズですが、解像力は隅まで均一で色収差も非常に少なく、光学性能は価格から考える以上に優秀という印象です。DOを採用していますが、フレアの問題が見られないのはポイントが高いですね。

暗いレンズなので用途は限られますが、気軽に持ち出せて手持ちで楽々振り回せる800mmはこれまでになかったレンズで、撮影の幅を大いに広げてくれそうですね。